従業員の給与等の取扱い

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2020年12月02日

1 はじめに

 会社の経営が立ち行かなくなり、破産せざるを得ない場合、破産には債権者間の平等の原則があるため、原則としてはすべての支払いを停止する必要があります。
 では、従業員への未払いの給与等も支払いを停止するべきことになるのでしょうか。

2 財団債権

 破産法は、労働者の生活保護の必要性に鑑みて、給料債権及び退職金債権を保護すべく破産手続開始前3か月の給料債権及び退職金債権を財団債権としています。
 財団債権とは、破産手続きによらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権になるので、借金等に優先して支払うことも可能となります。
 ただ、残業手当等の各種手当は給料債権として財団債権となりますが、解雇予告手当は財団債権にはならず、雇用関係に基づき生じた債権に該当し、優先的破産債権になります。
 破産手続きの終了前に退職した破産者の使用人の退職手当請求権は、退職前3か月間の給料の総額に相当する額と、破産手続開始前3か月間の給料の総額を比べ、そのうちの高い方の額が財団債権となります。

3 独立行政法人労働者健康福祉機構による立替払制度の利用

 ただ、破産せざるを得ない状況ということになると、実際は、従業員に対する給料を支払うための原資がないことも多いかと思います。
 その場合でも、破産をした場合には、独立行政法人労働者健康福祉機構が一定期間の未払賃金の8割を立て替えてくれることになります。
 そのため、従業員の給料の支払いが難しい場合には、むしろ破産した方が、この立替払制度の利用ができ、従業員にとっては利益になる可能性もあります。

4 まとめ

 会社の破産は、どのような形で行うのが代表者や従業員にとって一番いいのかは、会社毎にことなります。
 詳しくは、弁護士にご相談ください。
 事業の継続が難しくなってしまいお困りの方はぜひ、弁護士法人心にご相談ください。

 どのような解決策を取るのがよいのか相談に乗らせていただきます。

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